描いて作って耕して

農業・陶磁器の魅力をみなさんに伝えていきます。

有田焼のマーケティングってどうなってるの?

今回は少し真面目な話を。

有田焼に限らず、日本全国各地の伝統工芸品は人材不足や材料調達の困難さ、売れ行きの低迷など様々な課題を抱えているのは周知のとおりです。

私も有田焼に係るものとしていろいろと考えるところはあります。

 

そんな中でひとつ気になるのは、伝統工芸に対する市場レポートやマーケティングについて今一つ確信を持てる資料が少ない ということです。

もちろん、伝統工芸なぞ非常にニッチな分野ですので他の華やかなコンテンツと比べるのもどうかとは思います。

しかし、少ない。あまりにも少ない。

 

有田焼に関して言えばネットで検索してでてくるのは上原義子氏のマーケティングレポートくらいのもの。

有田町に住んでいてもマーケティングの講座が開催される話などついぞ聞いたことがありません。

一方で着実に知名度を上げていっている伝統工芸品もあります。有田のお隣、波佐見焼はそのいい例です。

私見ですが、勢いのある工芸品の裏では必ずビジネスの専門家が力強いサポートをしているように見えます。現代は大きな変革の時代です。ついこの間まで通用していたやり方があっという間に古臭くなってしまいます。

 

だからこそ、積極的に外部の専門家を招き時代の流れに合わせられるようにすべきなのです。

その意味で、先ほどご紹介した上原氏のマーケティングレポートは価値があるのです。内部の者では気づきにくい、言いにくい点について客観的な意見や改善案を提案してくれています。

有田焼と言ってもそれぞれの窯元でやり方が違うので一概に言えませんが、上原氏がレポートで指摘している「流通機能」の弱点については私もたいへん同意します。

もしご興味ある方は一度読んでみることをお勧めします。

ググればすぐに出てくるはずです。

 

なにも儲かればそれでいい、というつもりはありません。しかしより良い有田焼をつくっていくためにはマーケティングの力は必要です。

有田はもともと海外の技術や美術様式を積極的に吸収し昇華させ、かつてその栄華を極めました。そのような積極的姿勢と寛容性こそが有田の歴史と文化を築き上げたはずです。

少し話が横道にそれました。続きはまた今度書きたいと思います。

ただの一職人見習いのつぶやきですので、人によっては無知と傲慢を感じた方もいらっしゃるかもしれません。ご容赦ください。それでは、また。