ブルーベリーってたくさん品種があるんです。-基礎編-
このブログをご覧になる方ならご存知の方も多いと思いますが、ブルーベリーには膨大な数の品種があります。
日本だけでも100種類近くの品種が存在しており、その状態は正に群雄割拠と言えるでしょう。
知らなかった、という方ももちろんいらっしゃると思いますが、それも無理からぬこと、実は青果・ジャムを問わずブルーベリーを品種名で販売することはほぼないのです。
一般的な消費者は品種ごとの違いをあまり知らず、また、生産者も品種ごとに販売する手間に価値を見出していないのが現状です。品種ごとの味の違いはわずか と言い切る生産者もいるのです。
しかし、ここであえて言いたいのは品種ごとの違いは必ずあり、その品種の特性に合ったブルーベリーの商品づくりは間違いなく今後の課題になるだろう ということです。
ブルーベリーの需要は増加傾向にあるようですが、これからはマーケットに品種ごとの差異を意識した積極的なマーケティングが求められてくるのではないでしょうか。
前置きが長くなりましたが今回はブルーベリーの系統について紹介したいと思います。
※写真はラビットアイ
ーノーザンハイブッシュー
樹高:1.0~2.0m
樹勢:中
低温要求性:多
耐寒性:強い
果実の大きさ:大
収量:多
成熟期:6月上旬~7月下旬
水分:最も好む
耐乾性:弱い
最適ph:4.3~4.8
所感:低温要求量(注1)が約800~1200時間と多いグループ。果実品質が非常によく、日本では主に関東以東で栽培が盛ん。
ーサザンハイブッシュー
樹高:1.0~2.0m
樹勢:中
低温要求性:少
耐寒性:弱い
果実の大きさ:大~中
収量:中~少
成熟期:6月中旬~7月上旬
水分:好む
耐乾性:中
最適ph:4.3~4.8
所感:多くの品種は低温要求量が約400時間以下。ほとんどがラビットアイと同じ地帯で栽培されている。
ーハーフハイハイブッシュー
樹高:1.0m前後
樹勢:弱い
低温要求性:多
耐寒性:強い
果実の大きさ:小
収量:中~少
成熟期:6月中旬~7月上旬
水分:好む
耐乾性:中
最適ph:4.3~4.8
所感:樹高が低いのが特徴。強い耐寒性のためノーザンハイブッシュよりさらに北部の地域での栽培が可能。
ーラビットアイー
樹高:1.5~3.0mm
樹勢:強い
低温要求性:中
耐寒性:弱い
果実の大きさ:大~中
収量:極多
成熟期:7月上旬~9月上旬
水分:好む
耐乾性:強い
最適ph:4.3~5.3
所感:低温要求量はノーザンハイブッシュとサザンハイブッシュの中間くらい。非常に強健で高phにも耐えうることから有機栽培で推奨されている品種となっている。
以上、ただのデータの羅列になりましたがそれぞれの特徴はおおよそつかめたのではないかと思います。次回は初心者でも育てやすいラビットアイ系の品種について詳しく解説したいと思います。
※ノーザンハイブッシュ等のフリー画像が見当たらず参考写真が掲載できませんでした。フリーで使える画像を寄贈してくださる優しい方がいらっしゃいましたら、ご協力をお願いいたします。
参照したデータ:玉田孝人氏著「農業と経営 基礎からわかるブルーベリー栽培」
注1 低温要求量・・・休眠覚醒し、正常に発芽・開花するために必要な1.0~7.2℃の低温に遭遇する時間数のこと